電気ブランとハイボール
電気ブランは明治時代に誕生して以来、根強い人気を保ち続けてきているお酒なのですが、ここ数年ではその出荷量というものが急速に伸びてきているのです。
その原因として考えられるのは、ひとつは昨今のレトロブームであり、もうひとつがハイボールのブームなのです。そもそもハイボールというものは昭和30年代に一世を風靡したものですが、それを再びブームにしたのが2008年からのサントリーの「角ハイボール」です。
このサントリーのハイボールがヒットしたことを受けて、その後は他メーカーもハイボール商品を発売するようになったわけです。例えば、キリンビールでは「世界のハイボール」シリーズを販売し出し、アサヒビールでは「ブラックニッカハイボール」や「ニッカ竹鶴ピュアモルトハイボール」を発売することになります。さらにサントリーも「トリスハイボール」を新たに販売して、ハイボール市場は非常に活況となっていくのです。
そんな中、電気ブランの製造元である合同酒精もハイボール市場に参入したところ、これが見事に当たったわけなのです。電気ブランは元々はストレートで飲むお酒ではありますが、アルコール度はかなり高めです。それを炭酸で割ることで飲みやすくなり、これが低アルコール飲料を好む若い人たちに受けたのです。最近流行のハイボールとレトロムードのある電気ブランとのマッチングが効を奏したというわけなのです。